ニューツーリズムとは? 色々な種類のテーマ別観光で新しい旅行を楽しもう

旅行が好きな人、趣味にしている人って多いですよね。年に1度は海外旅行をするという人もいると思います。今回の記事は観光学の話なので、難しいところは読み飛ばしても大丈夫です。面白そうなところだけ読んでください。

ターシャ
ターシャ

ディズニーランドだけでなく、原爆ドームに行くのも観光って話です

まず、日本は経済発展のため、観光立国の実現が重要であるとして、近年様々な施策を行っています。簡単に言うと、外国人観光客が日本に来れば国にお金が落ちますし、日本人観光客が田舎に行っても地方が潤います。ニューツーリズムは多様化する旅行者のニーズを満たす新しい観光です

2008年には観光庁ができ、当時は訪日外国人客数年間1,000万人を目標にしていました。リーマンショックがあった2009年、東日本大震災があった2011年はマイナス成長したものの、2013年には1,000万人を達成し、2018年には3,000万人になりました。日本政府観光局

2012835
20131036
20141341
20151973
20162403
20172869
20183119
20193188
訪日観光客数(万人)

僕は大学で観光を学問として研究していました。インバウンド、着地型観光、地域活性化など、色んな観光地に行き勉強したのを覚えています。

ニューツーリズムについてもいくつか勉強しました。今回はどんなニューツーリズムがあるのか、その種類をご紹介するので、ぜひ次の旅行の参考にしてください

目次

ニューツーリズムとは

学問的に言うと難しいのでざっくり言いますが、ニューツーリズムとは従来の旅行とは違い、体験を重視した観光です。僕が大学生の頃は、単なる物見遊山ではない、非日常の体験と言っていました。修学旅行に近いかもしれません。ディズニーランドも楽しいですが、勉強になる旅行もいいですよね。

セブユキさん
セブユキさん

旅行と観光はほぼ同じ意味と捉えて大丈夫です!

ニューツーリズムという言葉自体は当時は聞いたことがありませんでしたが、○○ツーリズムはたくさんありました。今ではテーマ別観光とも言うようです。観光庁

ニューツーリズムは基本的に○○ツーリズムと分類され、観光客はテーマ別に何かを体験し、観光地は観光資源を見直すことで地域活性化になります。

〇〇ツーリズムは今ではどんどん増えています。主にインバウンドで使われる言葉ですが、この記事ではフィリピンでもできることをいくつか抜粋し、具体例とともにご紹介します。「これは〇〇ツーリズム」といった明確な区別は無いので、曖昧でもかまいません。

エコツーリズム

エコツーリズムとは、自然に触れて環境問題について考える観光です。ホエールウォッチングや希少生物の観察が具体例として挙げられますが、フィリピンで言えばジンベイザメツアーボホール島のターシャがまさにこれですね。

自然と言ってもテーマが大きいですが、その中にグリーンツーリズムとブルーツーリズムがあります。

グリーンツーリズム

自然に触れる観光で、これは結構イメージしやすいですね。具体例はフルーツ狩りや登山です。都会で暮らす人にとっては山に行くだけでも非日常の体験になりますし、植物や農業に関する知識もつきます。

林間学校や自然の家もこれに近いです。カレー作りは楽しかったですよね。僕は子どもの頃によくみかん狩りをしていました。

セブ島は海のアクティビティが有名ですが、実は最近は山のツアーも人気です。ネリーズヴィル、シラオガーデン、トップスなどがあります。

ブルーツーリズム

グリーンツーリズムの海版で、エコツーリズムで挙げたジンベイザメツアーがこれにあたります。ジンベイザメと泳ぐとき、日焼け止めやカメラのフラッシュは禁止されています。これは生態系を守るためであり、なぜ禁止する必要があるのかを考えることが大切です。

また、セブ島で有名なアイランドホッピングですが、離島で泳ぐ時はお金がかかります。これはサンゴや海の生物の保護などに充てられています。

ダークツーリズム

ちょっと物騒な名前ですが、僕の1番オススメで、僕自身もよく行きます。ダークツーリズムというのは、被災地や戦争跡地などを対象にした観光です

日本では原爆ドームがあまりにも有名で、僕も小学校の修学旅行で行きました。原爆ドームがあるのは過去の過ちを繰り返さないためです。興味本位ではなく、学びとすることが大切です。世界的には、チェルノブイリやアウシュヴィッツ収容所がとても有名です。

フィリピンで考えられるのはレイテ島ですね。激戦地になったため日本兵の慰霊碑や日比友好の証である記念碑があり、台風ヨランダの被災地を見ることもできます。僕は全て行きましたが、どれも感慨深かったです。

フィリピンにはスペインからの独立戦争と第二次世界大戦の歴史があるので、それぞれの記念碑や慰霊碑などが多く、セブ市内にも日本語で書かれた慰霊碑があります。

ヘルスツーリズム

ヘルスツーリズムとは、健康増進、維持、回復を目的とした観光です。治療のために移動するメディカルツーリズムもこれに含まれます。具体的には、温泉、森林浴などで、マッサージも広義にはここに含むかもしれませんね。

繰り返しになりますが、〇〇ツーリズムの具体的な定義はありません。マッサージに行くことは旅行ではないとも言えますし、マッサージはヘルスツーリズムのひとつとも言えます。古代ローマの温泉治療をヘルスツーリズムとするなら、マッサージやスパもそうですね。

日本の冬を避けてセブ島に来るのも、広義ではヘルスツーリズムでしょうか。インフルエンザと花粉症がないのが最高です。

ガストロノミーツーリズム

これは大学生の時、観光学会で初めて聞きました。当時はガストロノミーって何?という感じでしたが、フランス語で美食のことらしいです。フードツーリズムとも言います。

名前から想像できますし、楽しそうですよね。おいしいものを食べる観光です。意識せずやっていた人も多いでしょう。日本では和食が世界遺産なので、訪日外国人にとっては日本食そのものが観光資源です。「ラーメンを食べるために日本に行く」という外国人にとって、ラーメン自体が観光資源です。日本人が地域の郷土料理を食べるパターンもあります。

旅行先ではその土地のものが食べたいという人は多いと思います。それも地域資源を支えることになるので、ぜひそうしましょう。

ただし、フィリピン料理は日本人の口に合わないかもしれないので注意です。僕のおすすめはストリートフードです。

スローツーリズム

スローツーリズムとは、予定を詰め込みすぎない観光です。スローはただゆっくりという意味ではなく、質を重視するということです。ロングステイにも近いですね。

確かに、フィリピンに2泊3日滞在してもほとんどのことがわかりません。滞在が短い人ほどフィリピンは最高などと言いがちです。

ニワトリ
ニワトリ

それでいいのでは?

それもいいのですが、本質が見えていない感じがするんですよね。長く住んでいる僕としては、悪いところも含めてフィリピンのことをもっと知ってほしいです。

僕が過去にガイドして2泊や3泊で帰った人はみんな「もっといたかった」「また来たい」と言います。できれば最低1週間はあるといいですよ。その後リピーターになった人が数名、セブ島に移住した人が1名います。

その他

〇〇ツーリズムは他にもいろいろあります。詳しくはまとめませんが、ここから次の観光のテーマを探すのもありですよ。そもそもニューツーリズムは訪日外国人観光客向けの、日本ならではのものが多いです。

インダストリアルツーリズム

直訳すると産業観光で、生産現場や産業製品を観光資源とします。特に日本のものづくりは有名ですよね。「Youは何しに日本へ?」でよく見かけます。

アニメツーリズム

アニメは日本が誇る文化で、外国人にも超人気です。また、日本人にとっても聖地巡礼などありますよね。あれもテーマ別観光のひとつです。

忍者ツーリズム

忍者について知りたいというのはかなり日本を知った外国人ですね。フィリピンではナルトが有名です。

ロケツーリズム

アニメの聖地巡礼と似ていますが、主にドラマや映画のロケ地巡りです。佐賀県がタイの映画のロケ地として有名で、タイ人観光客が増えているというニュースを数年前に見ました。

調べたところ、すぐに見つかりました。「なぜタイ人観光客は佐賀を目指すのか」佐賀県のロケツーリズムの取り組み

サイクルツーリズム

サイクリングと観光を組み合わせたものです。これは僕の地元愛媛の今治から広島の尾道に架かるしまなみ海道が有名で、サイクリングに来る外国人も多いです。多島美を眺めながら橋を渡るのは気持ちいいですよ。僕は原付で渡ったことがあります。

広義では、スポーツツーリズムというのもあります。

その他

その他、どんなものでも観光資源になります。

神社、寺、酒蔵、田舎、古民家、城下町、遊園地、ショッピングモール、富士山など、これらはハードツーリズムとも呼べます。対して、自然、歴史、宗教、食、生活、伝統、人などの文化を資源とするものはソフトツーリズムです。

セブ島には他にも実弾射撃体験、ジプニー、スラム街、ビサヤ語など、日本では体験できない非日常がたくさんあります。

よく有名な観光資源がない地域のことを「〇〇には何も無い」と言ったりしますが、そんなことはありえません。どんな地域にも土地や歴史は必ずあります。有名な観光地に行くだけの旅行ではなく、非日常を体験する観光をしてみてください。

まとめ

僕自身旅行が好きで、今まで色々な形の観光を楽しんできました。学問として捉え、勉強すると難しいですが、どのツーリズムに当てはまるか考える必要はありません。こんな楽しみ方もあるんだくらいに思っていただき、次の旅行に役立てていただけると幸いです。

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