2人のフィリピン人選手が水泳の飛び込みで0点の演技 面白いけど笑えない理由

日記
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2015年の東南アジア競技大会で、水泳・飛び込み競技のフィリピン代表選手が0点の演技をして話題になりました。

当時ネットで話題になり、その後水曜日のダウンタウンでも取り上げられたので、知っている人や実際に映像を見たことがある人は多いと思います。

とりあえず、動画を見てみましょう。

Filipino Dive Fail – SEA Games 2015 – Splash Brothers!

僕も初見ではめちゃくちゃ笑いましたが、色々と知ってもう笑えなくなりました。そこにはフィリピンのアスリートたちの笑えない話があります。

2人のフィリピン代表選手が飛び込みで0点の演技

この競技は、2015年6月5日~16日にシンガポールで開催された第28回東南アジア競技大会(Southeast Asian Games)で行われた男子3メートル板飛び込みです。

水泳の飛び込みは、空中でのひねりや回転の難易度、水しぶきをあげずに着水する技術を採点する競技です。

ところが2人のフィリピン代表選手は、ともに大きく水しぶきをあげながら背中から落ち、結果はどちらも0点でした

この2人は当時21歳のジョン・エルメルソン・ファブリガ(John Elmerson Fabriga)選手と17歳のジョン・デビッド・パホヨ(John David Pahoyo)選手。演技後の笑顔や堂々とした態度は、ネタかなとも思ってしまいます。

動画がネットで話題に

競技の動画がインターネット上で拡散され話題になりました。特にFacebookをよく使うフィリピン人にはすぐ拡散され、数百万回再生されています。着水で水しぶきをあげない演技をノースプラッシュと言いますが、2人はスプラッシュボーイズなどと呼ばれるようになりました

一方で、フィリピン・スポーツ委員会の会長は、フィリピンの水泳連盟に対し、この失敗について説明を要求。スポーツ委員会はわざと失敗した可能性もあると見ていました。

0点の演技はネタ?わざと?

説明を求められたフィリピン水泳連盟は、フィリピンには飛び込みのトレーニング施設がひとつしかなく、2人は初心者だったとしています。

ただ、よく調べてみると2015年東南アジア競技大会の飛び込み競技の記録を見つけることができました。Diving at the 2015 Southeast Asian Games-Wikipedia

日本ではフィリピン代表選手がとんでもなく下手だったとしか紹介されませんが、実は飛び込みは6回あります。

記録によると、6回の競技中2人とも4回目に急に0点になり、それ以外はそこそこの数字を出しています。まあ0点の演技を差し引いても参加者8人中フィリピン代表の2人が7位と8位ですが。

また、2日後に行われたシンクロナイズド3メートル板飛び込みでもそこそこの演技をしています。

Aquatics Diving 3m Synchronised Springboard Finals (Men) |28th SEA Games Singapore 2015
ターシャ
ターシャ

こっちでも何回か飛んでいて、26分、33分あたりの演技は上手です

ただ、女子の10メートル飛び込みでも、参加者11人中フィリピン代表選手が10位と11位なので、フィリピン代表は飛び込みが下手というのは事実だと思います。

フィリピン水泳連盟は、より多くの資金と施設が必要だとも話しています。

ニュースのインタビューに答えた映像もありました。タガログ語ですが、「この時は緊張した」「みんなから笑われて恥ずかしい」「もっと練習したい」というようなことを言っています。

EXCLUSIVE | John David Pahoyo, nagsalita na tungkol sa viral video ng dive sa SEAG

この真剣さから、たまたま失敗してしまっただけかもしれませんね。いずれにせよ、これだけ真剣にやっているところを見ると、もう笑えなくなりました

この演技が与えた影響

競技の啓蒙活動

2人は0点の演技をして、恥ずかしい思いをしましたが、これは啓蒙になりました。

日本では、嘲笑する内容の記事が多いですが、フィリピン国内では賞賛の意見の方が多くなっています。

あんな大舞台で恥ずかしい思いをしましたが、結果的に日本人にさえフィリピンの飛び込み事情を知らせることになりましたからね。僕はそもそも3メートル板飛び込みを知りませんでした。

この話題を知って、何年か前のアフリカの水泳選手を思い出しました。

エリック・ムサンバニ-Wikipediaは2000年のシドニーオリンピックに出場した赤道ギニアの競泳選手です。100メートル自由形で溺れながらも泳ぎきりました。結果的に国内に練習設備がないことを世界中に知らしめることとなり、スポンサーから用具や金銭面での支援を受けることになりました

日本メディアの嘲笑と批判

冒頭でも書いたように、この映像は2018年4月18日の水曜日のダウンタウンの企画「芸人が今までで一番面白かった瞬間は誰が見ても面白い説」の中で、千鳥の大悟さんによって紹介されました。

確かに、何も知らずにこの映像だけ見ると、それはもうめちゃくちゃおもしろいし、笑ってしまいます。

ただ、この頃には事情を知っている人もいて、批判も結構ありました。事情を知らず笑ってしまうのは仕方の無いことですが、これを機にフィリピンのスポーツ設備の現状を知ってもらい、少しでも改善されることを祈ります

まとめ

この映像は、当初笑えるものとして拡散されましたが、今では勇気ある二人を称えるものになっています。僕も最初に見たときは笑ってしまいましたが、事情を知るともう笑えません。

そもそも一生懸命頑張る人を笑うのは良くないことですね。

オリンピックを含め、スポーツの分野では国際的に劣るフィリピンですが、真剣に頑張るアスリートが増えることでいつか世界で戦っていけるようになることを願います。

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