日本人にとって東南アジアは一括りにされがちですが、それぞれ特徴があります。
このブログを読んでくださっているフィリピン通の方には関係ないかもしれませんが、セブ島やバリ島がどこの国かわからない人もいます。
今回は外務省のホームページなどを参考に、東南アジア11ヶ国の場所、人口、特徴などをまとめました。
東南アジアの国
中国より南、インドより東のアジア地域です。インドシナ半島、マレー半島、インドネシア諸島、フィリピン諸島と島嶼部があります。
それぞれ、面積、人口、首都、通貨、言語、宗教、在日外国人数、在留邦人数の順で書いています。また、下にその国のキーワードをいくつか抜粋しています。
インドネシア
- 192万平方キロメートル
- 約2.67億人
- ジャカルタ(人口1,050万人)
- ルピア
- インドネシア語
- イスラム教 87.21%、キリスト教 9.87%(プロテスタント 6.96%、カトリック 2.91%)、ヒンズー教 1.69%、仏教 0.72%、儒教 0.05%、その他 0.50%
- 61,051人
- 19,612人
ジャワ島、バリ島、スマトラ島、スカルノハッタ国際空港ナシゴレン、人口世界第4位
カンボジア
- 18.1万平方キロメートル
- 16.3百万人
- プノンペン
- リエル
- カンボジア語(クメール語)
- 仏教
- 11,210人
- 約3,500人
アンコールワット、シェムリアップ
シンガポール
- 約720平方キロメートル
- 約564万人
- シンガポール
- シンガポール・ドル
- 国語はマレー語。公用語として英語,中国語,マレー語,タミール語。
- 仏教,イスラム教,キリスト教,道教,ヒンズー教
- 8,622名
- 36,423名
都市国家、多民族、マーライオン、マリーナベイサンズ
タイ
- 51万4,000平方キロメートル
- 6,891万人
- バンコク
- バーツ
- タイ語
- 仏教 94%,イスラム教 5%
- 51,003人
- 72,754人
チェンマイ、アユタヤ、トムヤムクン、パッタイ、ガパオライス、ムエタイ
フィリピン
- 299,404平方キロメートル
- 約1億98万人
- マニラ
- フィリピンペソ
- 国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語及び英語。80前後の言語がある。
- 国民の83%がカトリック、その他のキリスト教が10%。
- イスラム教は5%
- 297,890人
- 16,894人
ブルネイ
- 5,765平方キロメートル
- 42.1万人
- バンダル・スリ・ブガワン
- ブルネイ・ドル
- 憲法で公用語はマレー語と定められている。
- イスラム教(国教)(78.8%),仏教(8.7%),キリスト教(7.8%),その他(4.7%)
- 131名
- 170名
モスク
ベトナム
- 32万9,241平方キロメートル
- 約9,467万人
- ハノイ
- ドン
- ベトナム語
- 仏教,カトリック,カオダイ教他
- 330,835人
- 17,266人
ホーチミン、ダナン、ホイアン、ハロン湾
マレーシア
- 約33万平方キロメートル
- 約3,200万人
- クアラルンプール
- リンギット
- マレー語(国語),中国語,タミール語,英語
- イスラム教(連邦の宗教)(61%),仏教(20%),儒教・道教(1.0%),ヒンドゥー教(6.0%),キリスト教(9.0%),その他
- 16,768人
- 24,411人
ペトロナスツインタワー、コタキナバル、ジョホール・バル、ペナン島、ボルネオ島
ミャンマー
- 68万平方キロメートル
- 5,141万人
- ネピドー
- チャット
- ビルマ語
- 仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等
- 32,049人
- 3,505人
ヤンゴン、アウン・サン・スー・チー、首長族
ラオス
- 24万平方キロメートル
- 約701万人
- ビエンチャン
- キープ
- ラオス語
- 仏教
- 2,965人
- 945人
内陸国、ルアンパバーン、ワット・プー
東ティモール
- 約1万4,900平方キロメートル
- 約126.1万人
- ディリ
- 米ドル
- 公用語は、テトゥン語及びポルトガル語。実用語に、インドネシア語及び英語。その他多数の地方言語が使用されている。
- キリスト教99.1%(大半がカトリック)、イスラム教0.79%
- 在日東ティモール人 不明
- 61名
2002年独立
ASEAN
ASEAN(東南アジア諸国連合)は1967年のバンコク宣言によって設立された地域共同体で、現在は東ティモール以外の東南アジアの10ヶ国が加盟しています。原加盟国はインドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、シンガポールの5ヶ国でした。
宗教
並べてみると、インドネシア、ブルネイ、マレーシアはイスラム教徒、カンボジア、タイ、ベトナム、ミャンマー、ラオスは仏教徒が多いことがわかりました。
フィリピンと東ティモールはキリスト教徒が多いです。
フィリピンはアジア唯一のキリスト教国、東南アジア唯一のキリスト教国と言われることがありますが、東ティモールもキリスト教国なので、どちらも間違いだとわかりました。
ASEAN唯一のキリスト教国なら正解です。
また、カトリックが90%というと間違いです。カトリック83%、その他のキリスト教徒が10%なので、「キリスト教徒が90%」なら正解です。
ネットで調べると、色んな表記が混在していました。コトバンクのこの一文は間違っています。
フィリピンの人口のうち 90%がカトリックといわれ,アジアでは唯一のキリスト教国である。
コトバンク
論文として提出するわけではないので、僕もコラム的なブログではよくWikipediaを参考にしますが、重要な情報は公的機関を参考にします。
Wikipediaもそこまで間違っているわけではなく、この件に関しても、
フィリピンは、東南アジアでは東ティモールと並ぶキリスト教国である。
Wikipedia
とあります。
ネット上には、このようなささいな間違いだけでなく、意図して作られたフェイクニュースもあります。騙されないように気をつけましょう。
植民地
19世紀、東南アジアでは、欧米列強による植民地化が進められました。それぞれ、以下のように支配されていました。
イギリス
ミャンマー、マレーシア、シンガポール、ブルネイはイギリスの植民地でした。イギリス領マラヤ、イギリス領東インド(ビルマ)の時代です。シンガポールはさらにマレーシアからも独立しました。
他の国では、植民地支配されていた国の言語を話したりしますが、マレーシアとシンガポールの公用語に英語が制定されていますね。
フランス
ベトナム、カンボジア、ラオスはフランスの植民地でした。フランス領インドシナです。
ベトナムでは、第二次世界大戦後も、フランスとの間でインドシナ戦争が起こり、その後、ベトナム戦争もありました。
オランダ
インドネシアは、オランダの植民地となり、オランダ領東インドでした。その後、独立戦争が起き、後に初代大統領となったのがスカルノです。
ポルトガル
ティモール島は、16世紀にポルトガルによって植民地支配されました。その後オランダが進出し、西ティモールを割譲したため、現在もティモール島の西側はインドネシアになっています。1976年にはインドネシアが東ティモールの併合宣言を行いました。
東ティモールは東南アジアで最も独立が遅く、2002年にインドネシアから独立しました。
スペイン
スペインによるフィリピンの植民地化はこのブログで何度も解説している通りです。それにより、キリスト教やスペイン語など、他の東南アジア諸国と違う特徴が見られます。
また、フィリピンは後にアメリカの植民地となったため、アメリカの文化も入り、英語が公用語になっています。
日本
第二次世界大戦中は、日本も領域を広げていきました。ミャンマー、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオス、東ティモール、インドネシアと、タイ以外の全てを占領しています。
中にはインドネシアのように、オランダの植民地支配の解放者として歓迎された例もあります。インドネシアでは、高等教育を施しエリートを養成しました。
植民地化されなかった国
東南アジアで、唯一植民地化されなかった国がタイです。タイはイギリスとフランスの緩衝地帯でした。
簡単に言うと、東側にフランス、西側にイギリスがあったわけですが、タイはどちらでもなかったので、英仏が隣接して争うことがなかったわけです。
タイが植民地支配を受けなかったということは、世界史のテストに出ますよ。
在日外国人、在留邦人
在日外国人数は、ベトナムとフィリピンが約30万人でダントツでした。
シンガポールは在留邦人の割合の方が4倍くらい高いです。シンガポールから日本に来ることはあまり聞いたことがありませんし、日本人がシンガポールに移住するケースが多いのもわかります。
また、タイも在留邦人が多いです。僕もタイは良いとこだとよく聞きます。まだ行ったことがないので、いつか行きたいと思っています。
日本人にとっては東ティモール、ブルネイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアの順にマイナーですね。
僕はむしろ、日本人が少ないマイナーな地域に行ってみたいです。
まとめ
東南アジアの国について簡単にまとめました。こうしてみると、それぞれの国に歴史や文化があります。僕は歴史が好きなので、調べ始めるとキリがありません。
比較してみて、フィリピンだけが東南アジアでも独特の文化を持つことがわかると思います。今後もフィリピンについてもっと詳しく勉強しようと思います。
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