お酒が好きな人にとって、旅行先のお酒は楽しみの一つです。せっかくフィリピンに行ったら現地のお酒を飲んでみたいですよね。
フィリピン人はビールが好きな人が多く、コスパもいいのでほぼビール一択です。と言うより他の選択肢が少ないです。たまにもっと度数が高いブランデーやラムを飲む人もいますが。
また、日本のような居酒屋はほぼなく、路上で飲むのがフィリピンスタイルです。気をつけないとセブ島旅行で思ったようにお酒が飲めないかもしれません。
今回はフィリピン・セブ島のお酒事情をご紹介します。
フィリピンのお酒
ビール
サンミゲル・ライト・ピルセン・レッドホース
日本には、とりあえずビールという文化があります。アサヒ、キリン、サントリー、サッポロなど、多くのメーカーがあり、ビール好きの方は決まった銘柄を飲んでいると思います。
フィリピンでも最もポピュラーで、どこでも飲めるのがビールです。フィリピンのビールはSan Miguel(サンミゲル)という業界最大手企業が強く、どこに行ってもサンミゲル一択です。
サンミゲルのビールには、主にSan Miguel Light(ライト)、San Miguel Pilsen(ピルセン)、Red Horse(レッドホース)の3種類があります。
ライトは名前の通り薄味で軽く、飲みやすいビールです。ピルセンは苦味が強く、3つの中で最もビール感が強いです。ライトとピルセンはアルコール度数5%と、日本のビールと同じです。
レッドホースは度数が6.9%と高いので、コスパがいいとフィリピン人に人気です。苦味は少なく、度数の割に飲みやすいです。
値段はとあるスーパーで330ml缶が47ペソ。100円ちょいなので日本人観光客には安いですが、フィリピンの物価を考えるとかなり高いです。
同じ330mlのビンならライトが41ペソ、ピルセンとレッドホースが37ペソです。これはボトルがリサイクルできるため、少し安くなっています。そのため、ボトルが汚いものも多いです。商店やコンビニなら、ボトルを返却すると2ペソくらい返ってきます。
昭和の日本にもこのシステムがあったと聞きました
ピルセンとレッドホースには1リットルのビンもあります。サリサリストアという商店で90ペソ程度と、かなりお得でしたが、最近は110ペソくらいに値上げしています。
また、ビールに氷を入れるのもフィリピンの文化です。冷蔵庫が無い、あってもあまり冷えない、電気代が高い、外で飲むのですぐにぬるくなるなどの理由からですが、レッドホースに氷を入れると薄まるのでちょうどよくなります。ライトやピルセンが薄まったとしても氷を入れます。
僕はぬるいビールが大嫌いなので、氷がないと飲めなくなりました
写真のように、ビンの口にティッシュを巻いて出されます。これは口の周りに錆が付いていることがあるからで、ここを拭いてから飲みます。
サンミゲル・アップル・レモン
サンミゲルにはアップルとレモンのフレーバーのビールもあります。フィリピンに詳しいベテランにとっては想像と違う見慣れないボトルだと思いますが、少し前にデザインが変わりました。
ほとんどジュースのような味で飲みやすく、おいしいです。ビールが苦手な人にとっても飲めると好評ですが、アルコール度数は3%あるので注意しましょう。
2020年初頭頃にライチ味があるのを見ました。試してみたかったのですが、コロナでお酒の販売が禁止になる中、いつの間にかなくなっていました。
サンミゲル・ゼロ・フリー
ノンアルコールのビールもあります。
フリーはアルコール度数0%ですが、ゼロは3%です。
最近初めて気づきました
昔からあったのかな?
そもそもフィリピンでノンアルコールビールは需要がない気がします
その他のビール
その他、アサヒ、キリン、サッポロなどの日本のビールもあります。フィリピンに工場があるので、輸入品ほど高くありませんが、日本と同じくらいの値段なので、サンミゲルと比べると高いです。
どこにでもあるわけではなく、大きなスーパーでたまに見かけます。セブ島には日本食材店があり、日本の2倍くらいの値段で日本と同じものが買えます。
タイガービールやハイネケンもあります。特にタイガービールはここ数年で見かけるようになりました。タイガービールクリスタルはサンミゲルライトと、タイガービールブラックはレッドホースと味、度数、値段がほぼ同じです。
ブランデー・ラム
フィリピンではEmperador(エンペラドール)というブランデーが有名です。サトウキビを原料としていて、売上はブランデーで世界一だそうです。
写真にあるライトがスタンダードなエンペラドールで、アルコール度数は55プルーフなので27.5%です。500mlで77ペソ、750mlで111ペソなのでかなりコスパがいいですね。
また、Tanduay(タンデュアイ、タンドゥアイ)というラムも同じく人気です。こちらは80プルーフでアルコール度数40%、500mlで70ペソです。
どちらもテキーラに近いです。フィリピン人はこれらをショットで飲み、水やジュースをチェイサーにします。
僕はめちゃくちゃ苦手です
タダで貰っても絶対飲みません
タンドゥアイ・アイスはおいしいです。サワーやカクテルのような感じで、ウォッカ+レモネードやグリーンアップルなどがあります。
ココナッツワイン
ココナッツワインはココナッツが有名なフィリピンで飲まれるお酒で、現地語ではトゥバと言います。
ココナッツを発酵させたもので、甘酸っぱくておいしいですが、カブトムシのエサみたいな匂いがします。発酵が進むと酸味が増し、お酢になります。
トゥバをさらに蒸留するとランバノグと呼ばれるお酒になります。
自家製のものや未登録のものは安全性に問題があり、2019年にはマニラでランバノグを飲んだ人達が死亡する事件も起きています。原因は蒸留の際に生成され、通常は捨てられるメタノール、メチルアルコールです。
ランバノグはお土産としても有名で、本来は問題ありません。
セブ島のトゥバで亡くなるというのは聞いたことがありませんが、怪しいものは飲まないようにしましょう。
その他のお酒
フィリピンの代表的なお酒をご紹介しましたが、他にも日本にあるアルコール類は、大体の種類がフィリピンにもあります。ただし、ローカルなレストランや飲み屋には種類が少なく、ほぼビール一択になります。カクテルやワインなどはほとんど見たことがありません。
ちょっとオシャレなバーなど、あるところにはあるのですが、1杯で100ペソ以上するのでかなり高価です。そもそもフィリピンには、いわゆる居酒屋やバーが少ないです。
大型スーパーにはジン、ウォッカ、テキーラなどがあり、場所によってはカルーアやマリブもあります。また、JINROは230ペソ程度なのでコスパがいいです。
日本の焼酎や日本酒は日本食材店にあります。全て日本の2倍くらいの値段です。
ビールの値段
ここで、ビールの値段を比較してみましょう。最安値はスーパーで、サンミゲルピルセンのビンが37ペソでした。商店なら50ペソくらいになります。
レストランは70~80ペソが相場です。50ペソなら良心的だなと思いますし、100ペソならちょっと高いです。
外国人が泊まるリゾートホテルは100~200ペソです。外に出るのが怖くない人なら、近くのコンビニにお酒を買いに行く人もいます。また、ウォーターフロントホテルのカジノで200ペソです。
フィリピンの飲み屋
路上
フィリピン人は路上でお酒を飲みます。「世界くらべてみたら」という番組で、アナタの国の居酒屋は?みたいな回でも全く同じことを言っていました。
サリサリストアでビール、氷、コップを買い、店の前にある椅子や地べたに座って飲みます。
セブンイレブンにも外に机と椅子が用意されていて、飲み会ができるようになっています。
居酒屋
フィリピンには日本の居酒屋のようなお店はありません。「レストランにお酒もある」という程度で、種類にも期待できません。
セブ島で日本のような居酒屋なら、日本食レストランがおすすめです。特に松之家というお店はザ・日本の居酒屋で、コロナの前は週一くらいで通っていました。バーならリップルというお店がおすすめです。日本と同じクオリティのおいしいカクテルが飲めます。
お酒にこだわる観光客には、日本食レストランをおすすめしています
クラブ
フィリピンには、踊る方のクラブと女の子がいる方のクラブがあります。どちらもお酒の値段はそこそこします。
これは日本と同じですね
セブ島にはKTVと呼ばれる、日本で言うキャバクラがあり、日本人が経営しているお店も多いです。基本的に1時間約600ペソで飲み放題なので、かなりリーズナブルです。
コロナ禍で潰れてしまいましたが、アリーナというお店がセブの最高級でした。
ビールが約800円なので、日本より高いです。まあ、日本のこういうお店はもっと高いと思いますが。また、これは観光客価格で、ローカルが行くと300円程度でした。
屋台・ナイトマーケット
フィリピンで屋台やナイトマーケットと言うと、食材や雑貨など何かしらのお店をさすのですが、数年前に日本人がイメージする屋台村ができました。
ITパーク内にあるSugbo Mercado(スグボメルカド)という場所で、屋台が数十軒並んでいます。
比較的安全にフィリピンのローカル感が味わえる場所で、日本人観光客にも大人気でした。ガイドとして何度か飲みに行ったこともあります。観光が再開されればぜひ行ってほしい場所のひとつです。
お酒の免税範囲
ご紹介したように、フィリピンではほぼビール一択なので好みのお酒が無いかもしれません。3日程度の旅行なら、日本からお酒を持ち込むこともアリです。特に日本出発前の免税店で購入するのがおすすめです。
日本からフィリピンにお酒を持ち込む、フィリピンでお酒を買い、お土産として持って帰る時の免税範囲は、
- 日本からフィリピン:1L以内×2本
- フィリピンから日本:760ml以内×3本
760ml以内のものを3本でなくても大丈夫です。330mlのビンや缶なら6本まで日本に持って帰れます。
みんなに飲んでほしくて、1リットルのレッドホースを2本持って帰ったことがあります
機内に持ち込める液体は100ml以下なので、アルコール類は預け入れ荷物に入れましょう。
まとめ
フィリピンのお酒や飲み屋についてご紹介しました。セブ島旅行で飲めるお酒、現地の人が飲むお酒がわかったと思います。また、日本のような居酒屋はないこともわかりました。
海外旅行で夜はお酒を飲みたいところですが、セブ島では思うようにいかないかもしれません。割高にはなりますが、ホテルで飲むのも選択肢のひとつです。
コメント
コメント一覧 (2件)
>昭和の日本にもこのシステムがあったと聞きました
おいおい・・・令和の今でもビール瓶は酒屋で買い取ってくれるの知らないの?
調べてみたら「ビールびん保証金制度」というのがあるみたいですね。全く知りませんでした。
情報提供ありがとうございます。