フィリピンには給料日が月に2回あり、給料日にほぼ全額おろして豪遊するのがフィリピン人の贅沢です。
また、ボーナスは12月に1回、1ヶ月分で、祝日には割増賃金などもあります。
今回は、フィリピンの給料日や全額おろす文化についてご紹介します。
フィリピンの給料事情
給料日は月に2回
これはフィリピン通の人には有名なことですよね。日本では労働基準法により、毎月最低1回の支払いが義務付けられていますが、同じようにフィリピン労働雇用省(Department of Labor and Employment)によって法律が定められています。
これはフィリピン人があればあるだけ使ってしまう気質だからです。給料日が2回あれば、金欠の期間は2週間で済みます。
詳しい法律は、フィリピン政府のBureau of Working Conditionsで調べることができます。
給料日は15日と30日の会社が多いですが、5日と20日、10日と25日というところもあります。また、日本では月末締めの翌月末払いなどと、結構締め日からあきますが、フィリピンでは10日締めの15日払いというところもあります。職種によってはこれに当てはまらず、毎日日当を貰う人もいます。
ボーナスは12月に1ヶ月分
フィリピンのボーナスは年に1回です。12月に1ヶ月分ボーナスを渡すようにという法律があります。これを13th month payと言いますが、要するに1年で13ヶ月分の給料が貰えるということです。
12月はクリスマスパーティーのために特に忙しく、給料日、ボーナス、クリスマスが重なった年末はスーパーがものすごく混みます。(2017年の写真です。)
ちょっと細かくなりますが、疑問に思った方のために説明しておくと、1月から12月までの給料の平均(全額÷12)がボーナスになるので、働いていない日の分は貰えません。また、例えば7月から仕事を始めると、6ヶ月分÷12でボーナスは単純に約半分になります。
祝日に出勤すると給料2倍
フィリピンでは、祝日に出勤すると給料が2倍になります。レギュラーホリデーなら2倍、スペシャルノンワーキングデーなら30%増しです。2倍なんて超ラッキーと思いがちですが、祝日に仕事をするのはみんな嫌みたいです。特にクリスマスはフィリピン人にとって大切な日なので、2倍になるとしても休みたいかもしれませんね。
給料日に全額おろす文化
ここからは全員に当てはまるわけではありませんが、多くのフィリピン人が給料日に全額おろします。そのため、毎月15日、30日は(5、10、20、25日も)ATMに長蛇の列ができます。
フィリピンの銀行口座保有率は低いのですが、それでも行列ができます。ここにもフィリピンならではのおもしろさがあります。
金融機関の口座保有率が上昇、電子マネー口座増加などが影響(フィリピン) – 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、2019年の銀行口座保有率は12.2%でした。日本は97.6%です。
口座を持たない理由は、「預けるだけのお金がない(45%)」が多く、「不要(27%)」「開設に必要な書類を準備できない(26%)」「使い方が分からない(17%)」などの回答が続く。
ジェトロ
理由は容易に想像できますね。電子マネー口座保有率が1.3%から8.0%に上昇したとはいえ、フィリピンはまだまだ現金社会です。ローカルなマーケットではクレジットカードなんか使えません。また、クレジットカードが使えるレストランでも、ネットがオフラインで使えないなどよくあることです。
「預けるだけのお金がない」「不要」というのがよくわかります。
それでもATMに行列ができるのは、大勢が一斉に給料をおろすから、ATMの操作が遅いからです。待っている間は何もせず、自分の番になってからカードを探す人ってたまにいますよね。
いざレジが開いてあたふたする人何なん?
給料日は贅沢する日
フィリピン人はお金があると全額使ってしまいます。宵越しの金は持たない江戸っ子気質です。よく聞くのが、「今日楽しければいい」「今日楽しければ明日も楽しい」みたいな楽観的な意見です。日本人からすると考えられないかもしれませんが、これが普通です。
例えば給料日まであと10日で1,000円しかなかったら、なるべく安いものを食べて1日100円ずつ使いますよね。フィリピン人はすぐに1,000円のものを食べます。明日一文無しになることは考えません。誰かに借りたり、食べなかったりと何とかして次の給料日まで過ごします。
貯金したまま死ぬよりましかも
簡単に借金するフィリピン人
フィリピン人の中には、何の抵抗も罪悪感も無く借金する人もいます。給料日のすぐ後には全額無くなり借金をし、次の給料日に返す自転車操業です。街中には質屋が多くあり、個人の金貸しも多いです。
ファイブシックスと呼ばれ、5借りて6返す(金利20%)というのが主流でした。金持ちインド人がよくやっていて、数年前に問題にもなりました。
僕も友達によくお金を貸してと言われますし、何人にも、かなりの金額を貸しています。
あげるつもりで貸しましょう
豪華な食事が最高の贅沢
2018年5月放送の「世界くらべてみたら」で、フィリピンの給料日について紹介されていました。平均月収4万円、物価は3分の1ほどと紹介されていたのはテレビならではの誤った情報ですが。
アナタの国の贅沢とは?に対して、ほとんどのフィリピン人が給料日に外食やショッピングをするのが贅沢と答えています。
世界の購買意欲を比べても、63ヶ国中フィリピンが1位、日本は49位だそうです。
密着した家族は、4万円の給料のうち給料日に90%使いました。次の給料日前日は合計約44円のご飯とチキンヌードルを食べていました。
「お金がある時に贅沢して、なくなったらそれなりの生活をする」という考え方はみんな同じですね。宗教観からか、日本人の考え方とは全く違います。
給料日の支出に関するデータ
最後に、この件に関するデータがあったので見てみましょう。
47.4%が普段より多く使い、そのうち21.2%が2倍使っていることがわかります。意外と少ないですね。ボーナスを貯金すると答えた人は43.6%もいました。
おかしいと思って調べたところ、これは345人にオンラインで調査していました。これを参考に「フィリピン人は~」と考察しているサイトがありましたが、かなり偏った調査対象ですよ。
オンラインの調査ではフィリピン人へのアンケートになりません
まとめ
フィリピンの給料事情を見てきましたが、日本人には考えられないような使い方をすることがわかったと思います。
「なぜ?」と考えると難しいですが、僕はよくアリとキリギリスに例えます。大学でそんな論文も書きました。
どちらがいいか、悪いかはわかりませんが、どっちもその国ならではの文化ですよね。大金を使わずに貯め込んだままでいるよりはマシかもしれません。
僕はフィリピン人のお金の使い方に近いです
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